電動?手押し?井戸用ポンプの仕組みとは

2015年08月07日(金)11:42 AM

井戸を作る際、水を汲みあげるためのポンプが必ず必要です。ポンプには、電動式のものと手動式のものがあり、どちらか、もしくは両方を設置する場合があります。詳細をご説明しますので、井戸設置の際の参考になさってください。

◆ポンプの基本的な仕組み

ポンプは、ポンプ内に液体を吸い込み、その液体を外に移送する役目を果たします。ポンプ内に液体を吸い込む際は、気圧を利用。ポンプの中の空気を吸い出し、真空の状態にすることで、液体を吸い上げることが可能となるのです。

◆ポンプの種類とそれぞれの構造

★電動ポンプ

133779電動ポンプは、水道と同じように、蛇口を使用して水を出します。蛇口を開くことで、自動的に電気の力で運転が開始される仕組みです。


構造

電動ポンプは、羽根車、ヒーター、逆止弁、呼び水タンク、スイッチ兼圧力センサー、ダイアグラム、吸い上げ管(ポンプ)で成り立っています。 吸い上げ管の先には、フート弁がついています。フート弁は、逆流防止構造となっており、ポンプが作動していない時も、水か落ちないようになっています。砂取器や、空転を防ぐためのフロートスイッチと一緒に設置します。地下水が渇水してきた場合に、空気を吸い込んでしまうことがあり、これを空転といいますが、空転防止のためのスイッチの一種がフロートスイッチで、浮きが液の中で上下することでONとOFFを切り替えます。

仕組み

電動モーターと羽根車が内層された電動ポンプは、モーターが回転すると、ケーシング内の羽根車が水を吸い上げ押し出す仕組みになっています。最初に使用するときは、呼び水を100ccほど呼び水タンクに入れ、ケーシングを水でいっぱいにし、羽根車を回転させて水を吸収します。

吸引する側に圧力がかかったとき、空気がダイアフラムから入ります。蛇口を閉じると、水を押し出す側の圧力が上がるので、圧力センサーが機能しポンプを停止します。一度停止しても、フート弁が逆流を防いでいるので、次の使用時もすぐに水を出すことができます。

★手押しポンプ

手押しポンプは、昔からある仕組みのポンプです。手動で水を汲み上げるため、電気は必要ありません。万が一、災害などで水道の水が使用できなくなったり、井戸の電動ポンプが動かなくなってしまったりしても、いつでも水を汲み上げることが可能です。

構造

この手押しポンプは、持ち手の部分を上下に動かすことで水を汲み上げますが、この原理はとても簡単なものです。ポンプのシリンダー(ピストンが往復する気筒)の中には、ピストンが入っており、このピストンの上部に持ち手がついています。

ピストンの先にはプラ玉、もしくは木玉がついていますが、ここには水を通すための穴があいており、穴の上に弁(サブタ)がついています。また、これとは別にもうひとつ、シリンダーの底の方にも弁がついています。手押しポンプを動かし、これら二つの弁が開いたり閉じたりすることにより、水を汲み上げる仕組みになっています。

仕組み
ピストンがシリンダーの上部にある状態のときは、その下に水が溜まっています。

ピストンを押すと、プラ玉、もしくは木玉についている弁が開き、穴を通って水が上がってきます。このとき、シリンダーの底の弁は、シリンダー内の水がピストンに押された状態になっているため、閉じています。

ピストンが一番下まで押されたとき、シリンダーの中の水は、全てピストンの上に押し出された状態となります。

今度は、ピストンを上に持ち上げますが、このとき、シリンダー内に水を吸い込むのと、シリンダーから外に水を押し出す動作が同時に行われます。プラ玉の弁は、シリンダーの水に押されるため閉じた状態になり、シリンダーの先の弁は、水を汲み上げるために開いた状態になっています。

以降はこの流れの繰り返しとなります。


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