急な傾斜地でも井戸掘りは可能？井戸の掘削場所について | 井戸生活

はい、可能です。いくつか掘削方法がありますので、ご安心ください。「傾斜掘削」や「水平掘削（1929年にアメリカで開発）」という特殊な方法を用いることで、斜めになっている土地も掘ることが可能となります。

井戸は通常ロータリー掘削という方法により掘りますが、その場合、穴を掘るための装置（やぐら）を設置してその土地に対して垂直に掘り進めていくことになります。

しかし、傾斜している土地で井戸掘りを行う必要があるケースでは、やぐらを立てることができないので、離れている場所から段階を経て、斜め（もしくは水平）に掘っていくことになります。

また、斜めに掘った方が経済的なことが多いので、予算の問題などによりあえて傾斜掘削を行う場合があります。現在は、石油・天然ガス開発井、海洋掘削などの場合にこの方法が多く用いられています。

ちなみに急な崖地などに見られる横井戸は、土地に対して垂直に掘ることができなかったために水平方向に掘削して施工しています。

傾斜地での井戸掘りを行う場合、すぐ下にある帯水層までまっすぐに掘ることができません。そのため、離れた水平の場所から目的の場所まで掘り進める必要があるため、高い技術が求められます。ここでは、傾斜掘削および水平掘削の工程についてご説明します。

傾斜掘削

まずは、目的の場所から離れた水平の位置で、垂直に井戸穴を掘っていきます。おおよそ500メートルから1,500メートルまで離れていても掘削可能です。

穴を掘る際は、パイプにドリル（ビット）をつなげて回転させながら硬い岩や石を掘り、パイプそのものの重さと回転の勢いを利用しながら掘り進んでいきます。そして、このときに出る屑などを吸い上げるために、特別な泥水をパイプから注ぎ入れ、勢いよくドリルの先から噴出させます。

この泥水は、掘ったあとの屑をパイプの外から地上まで送り届け、そのあとまたパイプの中に戻っていきます。

帯水層がある位置の少し手前までまっすぐに掘ったあとは、帯水層がある方向に徐々に斜めに掘り、角度が決まった時点でまっすぐ掘り進めます。帯水層に到達したら掘削完了です。

水平掘削

1980年ごろから活用されるようになった掘削方法で、目的の層がある位置が比較的浅い場合に用いられ、数キロ先までの目的層まで掘ることができます。

傾斜掘削と同じようにまずは離れた位置で垂直に掘削していきます。そして水平になるまで少しずつ曲げて掘ります。あとは水平のまま、目的位置まで掘り進めます。

この水平掘削は水圧で岩などに亀裂を生じさせる手法も加わり、傾斜掘削よりもさらに高度な技術を要しますが、ひとつの井戸穴から複数の石油層や帯水層（地下水層）などにつなげることができるので、非常に高い生産性が期待でき経費削減につながります。

傾斜した土地での掘削の場合、その角度に注意する必要があります。傾斜角度がおおよそ45度までであれば大きな問題は起きないようですが、これよりも大きい角度になってしまうと掘削屑の排出が困難になる可能性があります。

また、井戸を深く掘り進めていくためには、ドリル（ビット）に荷重をかけることが必要ですが、やはり傾斜角度が45度を超えるとドリルの先端に荷重をかけづらくなってしまいます。

とはいえ、最近では、新しい技術（高トルク方ダウンホールモーターやMWDなど）が開発されたことにより傾斜60度くらいまでの掘削が可能となっていますし、水平掘削を行えばこれらの問題も解決されることになります。

傾斜地や坂以外でも、「こんなところで井戸掘りができるの？
という場所がありますので、ご紹介しましょう

目的の土地までの搬入通路が狭い場所

搬入通路が60センチあれば、小型の掘削機を搬入することが可能です。作業員が分解し運搬するので、心配いりません。

都会など土地が少ない場所

小型掘削機を利用することにより、1.5メートル四方しかない作業場所での井戸設置が可能です。

「井戸を設置したいけど難しそう」と最初から諦めていた方や企業のご担当者様・事業主の方も、ご安心ください。弊社は難易度の高い傾斜地でも井戸掘りが可能な井戸掘り専門業者です。井戸掘りを検討されている土地について、どのようなご質問にもお答えしますので、お気軽にお問合せください。お待ちしております。