はじまりと現在。井戸掘りの歴史を紐解く
- 目次
- 1. 井戸の起源とは
- 1.1 井戸のはじまり
- 1.2 井戸の歴史
- 2. 手押しポンプから電動、そして水道へ
- 3. 現在の井戸の利用のされ方
- 4. 井戸掘りなら井戸生活へ
井戸の起源とは
◆井戸のはじまり
人が生きていくためには、水が必要です。そのため、昔から人々は水の近くに住み、川・池などの水や湧水を運んでさまざまな用途に使用していたようです。そしてその後、住まいの近くに水を溜めるため、井戸掘りを始めたそうです。
始めのころの井戸は、今のように深く掘るということはなく、浅く掘り、川の伏流水や湧水を利用する程度でしたが、水が不足する場所においては、鉢に似た形の大きな穴を掘って利用したといわれています。
◆井戸の歴史
浄水を目的とした井戸で世界最古のものは、新石器時代(約9000年前)のシリア、テル・セクル・アルアヘイマル遺跡のものであり、日本の最古の井戸は、斐川町の御井神社の井戸、斑鳩町の法輪寺の井戸、鹿児島県の玉の井といわれています。
初めて日本で井戸を作った人物として空海(弘法大師)の名があがっていますが、唐で習得した井戸掘りの技術を人々が徐々に広めていったのが、全国での井戸の始まりだったようです。
なお、江戸時代の下町の井戸は、現在のように地下水を汲み上げるものではなく、玉川上水の水を利用するために埋設されていた管(現在の水道管)から水を利用したものでした。下町は埋め立てて造られた地域だったため、井戸掘りをしても海水しか湧いてこなかったことが、その理由のようです。
また、井戸の掘削技術には、さまざまなものがあります。手掘りの掘り抜き井戸(掘り井戸)は、紀元前1122年には中国で利用されており、日本の関東では1720年よりも前から存在していたとのこと。そのあと登場したのが掘削井戸だったようです。
また、工法については、江戸時代中期から明治時代中期までは、井戸職人たちによる金棒掘り工法が利用され、その後、明治時代の後期からは上総掘りが、大正時代からは打ち抜き、機械掘りが行われたといいます。
現在の主流は、ボーリング機械を使用したパーカション工法、エアハンマ工法、ロータリー工法。この3つの工法で行われており、機械で設置できるため井戸職人が少なくなっているといいます。
手押しポンプから電動、そして水道へ
江戸時代から昭和初期にかけて、堀井戸の水は滑車を利用して釣瓶桶で汲み上げていましたが、大正時代から手押しポンプが使われるようになりました。
しかし、昭和20年から30年ごろにかけて、電動ポンプが急速に普及したことで、手押しポンプが激減したのです。
どこの家庭にも設置されていた井戸ですが、電動ポンプが普及したあと、一般家庭において水道が普及したため井戸が使用する必要がなくなり、井戸そのものが徐々に使用されなくなっていきました。
現在の井戸の利用のされ方
現在、一般家庭ではほとんどみかけなくなったものの、最近は災害に備え、井戸掘りを行う家庭、企業、公共団体などが増えており、公園、学校、医療施設、保育施設などで見かけるようになりました。
また、水道代の節約にもなるため、家庭、農業、工場、温泉施設などが新たな設置を行っています。ただし、飲料用として使用する場合は、専門家による水質検査が必要です。
- 飲用、生活雑用水(風呂・洗濯・プールなど)などに使用
- 散水、池などに使用
- ハウス栽培、冷暖房、消雪などに使用
- 工業用水に使用
現在の井戸は、電動ポンプだけでなく、災害時に電気が使用できなくなる可能性を考慮し、手押しポンプを利用している井戸も見受けられます。なお、災害対策用井戸として設置する場合は、自治体から補助金が出る場合があります。詳細は、対象の自治体への問い合わせることをおすすめします。
井戸掘りなら井戸生活へ
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