津波のときは井戸を見ろ?その真意は。
2015年11月19日(木)11:57 AM
「地震の後に潮が引いたら津波が来る」なんて話を聞いたことがある人は多いでしょう。しかし、「津波のときは井戸を見ろ」なんて話を聞いたことのある方は少ないでしょう。本当にこんなことはあるのでしょうか?実は、東日本大震災で実際にこの情報を知っていた人が井戸の異変に気が付き、高台に避難したという話もあるのです。震災の影響で津波は大変警戒されており、東京や神奈川などの沿岸部では人事とはいえません。誰もが関連する正しい情報を知っておく必要がありますね。そこで今回は、津波と井戸の関係をみていくことにしましょう。
- 目次
- 1. 津波の前兆になる井戸の変化
- 2. 地震にも強いと言われる井戸
- 3. 津波情報を併用して冷静な判断を
津波の前兆になる井戸の変化
地震も恐ろしいですが、あっという間にすべてを飲み込む津波も大変恐ろしい存在です。前述の井戸の変化を目安にした方は、20年前に近所の高齢者から聞いた「津波の時は井戸に気をつけろ」という言葉を覚えていたそうです。地下水は海岸が近いと海の水の動きにも反応します。急激に潮が引くときに地下水が井戸から抜け空気が入ることで「ゴボゴボ」といった音がするといわれており、その際に泥や沈殿物を撹拌してしまい水が茶色く濁るといった現象も起きやすくなります。地震が起こったら、注目するべき井戸の変化は音と濁りです。地震との相関関係もあるので日頃から井戸の水位や色などをチェックしておくといいでしょう。
地震にも強いと言われる井戸
関東や東海など日本各地で大地震が警戒されています。その中で、貯水槽で防災対策を行っている自治体もありますが、震災で破損してしまえば十分に利用することはできません。井戸は地下水脈がある地下深くまで伸びているため地震にも強く、東日本大震災でも生活用水や清掃に活躍しました。もちろん、塩害や地すべりによって使用不能となった井戸やメンテナンス不足から使用できなくなった井戸も全体の5.4%ありました。しかし、大多数はあの規模の地震にもかかわらず、その後も継続して使用することが可能だったという強靭ぶりです。
津波情報を併用して冷静な判断を
災害時には冷静で迅速な判断が要求されます。特に津波の恐れのある地域では、津波情報がすぐに聞けない場合は井戸の変化がは高台へ逃げるヒントになるでしょう。しかし、昭和三陸地震の際には井戸をのぞきに行って津波に巻き込まれた方の報告もあるため、それだけにこだわらず総合的に判断することをおすすめします。特に災害時にはラジオが有効といわれており、井戸の変化と併用して判断の材料とするといいでしょう。
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