いろいろある井戸の種類。つるべ井戸とは?
井戸の水を汲み上げる方法も実はいくつかあり、昭和レトロな手押しポンプや、自噴井戸といって湧き水のように自ら湧いてくるタイプ、TOKIOがダッシュ島で使っているはねつるべなど、環境や井戸の性質によって変わります。
「江戸時代の井戸といえば!」で、皆さんが思い浮かべるタイプは桶と滑車を組み合わせた「つるべ井戸」という井戸です。
「朝顔やつるべとられてもらい水」と、俳句にも登場するなど日本人に馴染みの深いタイプの井戸ですが、現在でもアフリカやアジアの各地で活躍しています。
ここでは、そんなつるべ井戸について仕組みや歴史などを詳しくみていきます。
- 目次
- 1. つるべ井戸とは?
- 2. つるべ井戸の歴史
- 3. 今は、ポンプ式だから便利
つるべ井戸とは?
つるべ井戸の「つるべ」とは、縄の先に付けた水を汲むための桶を指します。
井戸自体は浅井戸が主で、人力主体で穴を掘り地下水に行き着くまで粘土や砂・石の層を掘り進むものです。
滑車やテコの原理を使用して水を汲み上げますが、桶いっぱいの水を何度も汲み上げるのは重労働と言わざるを得ません。
深い井戸の場合は特に大変で、滑車だけでなくシーソーのようにテコの原理を使う「はねつるべ」を利用することも多かったようです。
TOKIOがダッシュ島で使っているのがこのタイプですね。
つるべ井戸の歴史
井戸の漢字は現在は「井」ですが、以前は「丼」を使っていました。中の点がつるべを表しているといわれています。
俳句や「つるべ落とし」といったことわざに使われるほど、生活に根付いたものでした。
しかし、井戸掘りが江戸で一般的に行われるようになったのは意外に新しく、江戸時代中期といわれています。
それまでは井戸掘りに200両ほどの資金が必要で武家でも手が出ず、大商人など一部のお金持ちのものだったそうです。
それが大阪から伝わった上総掘りの技術を用いることで、3両ほどで掘れるようになったことから一般に普及したといわれています。
とはいっても、時代劇でみるように共同で使用というのが一般的でした。明治に入り、さらに深い井戸を掘る技術が進んだことで手押しポンプが普及し、つるべ井戸は少しずつ姿を消しました。
現在では、アフリカの各地で日本人が伝えたものが活躍しています。
構造が簡単なため、修理しやすいのがポイントのようです。また、徳川将軍家の縁の寺であり、徳川歴代将軍15人のうち6人が眠る東京の寛永寺では今でも、風流なつるべ井戸をみることができるんですよ。
今は、ポンプ式だから便利
昔は、つるべ井戸で水汲みは重労働でしたが、今は蛇口をひねるだけ。井戸掘りも業者に頼むだけ、と、楽になりました。
もちろん、掘削もポンプも技術が進み、それに伴い井戸も使いやすくなっています。
苦労はしたくないけど、井戸を利用してみたいという方は、井戸生活を是非ご利用ください!
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