井戸掘りの深さで何が変わるの?井戸の深さのハナシ
井戸掘りの際、多くの人が気になるのが、その深さと地下水の水質についてではないでしょうか。これらについて詳細をまとめましたので、井戸掘りの参考になさってください。
目的別!井戸掘りの深さ
井戸を設置する目的によって、掘る深さは変わってきます。目的別の井戸の種類についてご紹介しましょう。
- 目次
- 1. 雑用水として使用する家庭用・災害用などに
- 2. 畑などの散水用に
- 3. 飲料水といて使用する家庭や、水が多く必要な事業所に
- 4. 水は何メートル掘れば出るの?
- 5. 井戸の深さと水質の関係
- 6. どのくらいの深さの井戸を掘るべきか?
雑用水として使用する家庭用・災害用などに
抜き打ち井戸
パイプを打ち込むことで作ります。家庭用、災害用に向いており、飲料用には適しません。8メートルから10メートルほど掘り(浅井戸)、雨水や川水の伏流水を汲み上げます。手押しポンプを利用して水を汲み上げる井戸は、ほとんどがこのタイプですが、電動ポンプも合わせて設置しているケースもあります。
畑などの散水用に
堀井戸
0.7メートルから2メートルほどの穴を掘り、コンクリートや石などで壁の補強工事をしつつ、地下の水脈に達するまで掘ります。
飲料水といて使用する家庭や、水が多く必要な事業所に
深井戸(ボーリング井戸)
深さ10メートル以上の井戸が深井戸で、深く掘るためにボーリングを利用します。おもに、工場、学校、ショッピングモール、スーパー銭湯、農業関係などに使用しますが、飲料水として利用できるので、一般家庭で設置するケースもあります。ただし、必ず飲料用に適しているか、水質検査が必要です。
水は何メートル掘れば出るの?
井戸を考えていらっしゃるお客様には「何メートル掘れば水が出るのか?」という素朴な疑問があるようですが、これはお客様の土地の条件などによって、正確に○メートルとはいえないことが多く、実際には掘ってみなければわからないことといえるでしょう。ただ、おおよそ20メートルから40メートルほど掘れば出ることが多いです。
事前に調査するためには、地盤調査(ボーリング)が必要となりますが、経費がかかってしまいます。そのため、通常は、設置予定の近くで行われた地域の調査データを確認することで、おおよそ何メートル掘ればよいのかを推定することが可能となり、実際に掘った後の水位によってポンプ設置位置を決めることになります。
なお、山地、丘陵地などの場合、水量が少なかったり、水脈までの距離が深かったりする可能性があります。
井戸の深さと水質の関係
よい水質の水を得るためには、できるだけ深く掘ったほうがよいのでは?という疑問をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。しかし、基本的に水質と井戸の深さには、特別な関係はありません。まれに何百メートルも掘れば良質な水が得られることがありますが、基本的に深く掘れば掘るほど、水質がよくなるという決まりはないのです。
地下にはいくつもの帯水層というものがあり、深く掘れば確かに汚染物質が濾過されるといえます。ただ、地域によって地層の成分はさまざまであるため、深く掘ったとしても、たとえばマンガンや鉄分などミネラルを多く含んでいたり、塩分が含まれていたり、中には濾過器等が必要になってくる場合もあるのです。
どのくらいの深さの井戸を掘るべきか?
おおよそ20メートルから40メートルほど掘れば、おそらく水が出ると予想されており、しかも「40メートル以上掘ったから必ず良い水が出る」という保証はありません。
深く掘るほどパイプの大きさによっては挿入が困難となるという問題もありますので、
深く掘るとしても40メートルと考えておけばよいでしょう。
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