井戸水と水道水の違いのメリット・デメリット
「井戸水と水道水の違いはなんですか?」という問いに、詳しく答えることはできますか?井戸を検討する際、水道水と井戸水ではそもそもどんな違いがあるかを把握しておくことはとても大事です。今回は、井戸水と水道水の違いはもちろん、それぞれのメリット・デメリットをご説明させていただきます。
水道水と井戸水の違い
水道水
河川や池、雨水などをダムに貯めたものなど、自然にある水の汚れを取り除き、塩素での消毒して各家庭へ送り届けているものです。家庭や商業施設などで一般的に使用しており、蛇口をひねって出てくるものを「上水道」、使用後に排水溝へ流したものを「下水道」と呼びます。安全に飲める水を提供するために「水道法第4条」「水質基準に関する省令」など法律によって厳しく管理されているのが特徴。飲料水になるまで浄水場でろ過や消毒を10時間も行い、消費者の元に届けています。カルキ臭さを感じるなど、不満を感じることも多い水道水ですが、安全性を守るために考え抜かれたものであることは忘れてはいけません。
井戸水
地下の水脈にある地下水を汲み上げている天然水です。井戸には、深井戸と浅井戸があり、浅井戸は地表から8mほど、深井戸は30mを超えることもしばしばです。そのため、深井戸の水は地上の影響を受けにくく不純物のリスクもかなり低く、いわゆる「ミネラルウォーター」と呼ばれています。井戸は汲み上げ後にろ過や消毒などを行わないため、井戸によって風味や味が異なり個性があるのも特徴です。飲料水として使用するだけでなく農作業用や、工業用に使用する企業もみられます。
井戸水のメリット
無料
水道水は使用量に応じて費用がかかりますが、井戸水は無料なので気にすることなく使用することができます。これは井戸水の最大のメリット!統計によると日本人は1人あたりおよそ289リットル/1日の水を使い、一月にもなれば8670リットルと大量の水が必要です。水道水の使用料金は自治体によって異なりますが、水道代を30~50%節約することができるでしょう。
ニオイが少ない
前述の通り、汲み上げて直接使うため、カルキ臭とは無縁というのも大きなメリットです。井戸によっては、お茶や出汁をとっても美味しく仕上がる、ミネラルが豊富、肌にも優しいなど、水道水にはないメリットがみられます。
災害時に活用
震災などでライフラインが止まることはよく知られていますが、水道もその対象となります。先日の北海道胆振東部地震では、10日以上止まった地域もあり、復興だけでなくトイレや飲料水など日常生活に大きな影響を及ぼしました。井戸はポンプが動けば汲み上げることができ、震災時も活躍します。
井戸水のデメリット
イニシャルコスト
井戸を掘り、設備を整えるためには費用がかかります。また、水道の場合は、配管など施設の維持費も水道代に反映されていますが、井戸のポンプや設備などは自費で賄わなければなりません。井戸水を使い続けるためのコストも考える必要があります。
電気が必要
井戸というとつるべを落として水を汲み上げるイメージが強いですが、近年では電動のポンプを使用しています。そのため、微量ではありますが電気代が必要です。
水質、水量に問題がある場合あり
水質は地層や環境によって大きく異なり、どの井戸水も飲めるとは限りません。また、環境に左右されやすく、定期的に保健所で検査を受ける必要があります。水量についても天候はもちろん、近隣で井戸を掘る家庭が増えると水量が減る場合もみられ、不安定であるというデメリットがみられます。
停電時は使えない
水を汲み上げるポンプは電気で動いているため、停電時には使えない恐れがあります。停電や震災に備え、手動ポンプを併用するという対策をしている方もみられます。
まとめ
井戸水にはデメリットが存在しますが、震災への備えや水道代の節約、美味しい水の確保などそれを上回るメリットもあり、井戸を望む方が増えています。まずはどちらも確認し、納得した上で計画を進めることをおすすめします。
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